表装コーディネーター佐河太心と掛軸

掛軸について、知りたい時に読んでもらえるブログ(になればいいなと・・・)

2018年11月18日~25日 土屋秋恆さんが主宰する墨閃会の社中展開催 

展覧会の案内です

 

土屋秋恆さんが主宰する墨閃会の第六回社中展が、下北沢の武蔵屋画廊で開催されます。掛軸作品も何点か展示されますので、お近くにお越しの際、さらにお近くにお越しでなくても、足をお運びください。水墨画の作品展です。

 

場所日時

武蔵屋画廊 

11時~20時まで

2018年11月18日(日)~25日(日)最終日18時まで

 

墨閃会ホームページ

http://www.bokusenkai.com/news.html

 

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海外と日本を掛け軸で繋ぐプロジェクト

昨日、一昨日と、海外へ掛け軸を発信、紹介するイベントを来年6月に開催するという話をいただき、その打ち合わせを行いました。

 

まだ詳細は言えませんが、日本の中ではありますが、外国みたいな所での開催になります。

 

その中で、わたしが、数年温めていた企画が実現できるかもしれないので、とても、ワクワクしております。

 

まずは、この場所で反応をみて、日本国内各所で展開していけたらなと思っております。

 

少し、大規模になりそうなので、これから、表装業界内で協力者を探して行きたいと思います。

 

来年二月には具体的なコンセプトなども決まってくると思うので、それまでにしっかりと準備をして、6月に備えたいと思います。

 

そんな感じで、簡単なご報告まで^ ^

 

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おすすめ表装本

本日は佐河太心が推薦する 表装のオススメ本のお話です

掛軸師と名乗っている以上、ある程度の表装知識は持っていなくてはなりません
しかし、まだまだこの業界内では経験年数が少なく若輩者ですので
知識や技術を日々習得中であります。

 

技術は、ひたすら制作することにより少しずつ上達はしていきますが
知識のほうは、同じ会社、同じ親方では偏りもでて、
客観的な知識の習得は以外と難しいものです。

 

そんな時に、とても役にたつのが、表装に関する書籍です
これは表装のことが文字や図にしてまとめてありますので、
知らないことはもとより自分が行ってきた、作業や考え方にも色々あることがわかり
知識の幅を広げるよい機会となります。

 

ただ、表装を中心とした本はあまり数が少ないという現実もあります・・・
しかしその中でも参考にさせて頂いてる本が「表具問答」という本です。

 

こちらは湯山さんという表具師さんが、質問形式で様々な角度から
表装を解説している、本当にわかりやすい本です。

昭和50年が初版ですので約38年前の本です。

 

私は基本的に技術のほうは掛軸に特化することで、より掛軸を深く追求できると
考えておりますが、掛軸だけが表具ではありません
当然、襖や屏風、額、巻物といったものも通常は一緒に考えなくてはいけません
しかし、掛軸に特化してるため、掛け軸以外の制作数は圧倒的に足りません
襖にいたっては、表装訓練校で習って以来ほとんど作ってないのではないかと
言ってしまってもいいくらいです・・・

 

ですので、たまに襖やってと言われますが、さすがに襖は無理と断っております・・

そんなわけで、この本は巻物や屏風を作る際にも、親分や先生に教えていただいた事を
復習するため、また別の考え知識を得る為にとても助かっております。

 

足りない技術を知識で補える素晴らしい本だと個人的に思っております

 

この本はなかなか手に入りづらく、当店でも1冊しか原本がありません
読み返していくとどんどんボロボロになってしまいすので
もう1冊欲しかったのですが、古本屋に行ってもなかなか見つかりませんでした

しかし、先日、何気なく古本のネット検索しておりましたら、1冊みつかりました!!
早速、ポチっと購入!!
やった~と思って値段みると・・・・¥10500円でした・・・

 

お~なかなかパンチがあります・・・
でも、意外とショックはありませんでした

たぶんそれだけの価値があると、自分では考えていたからでしょう・・・

というわけで
ぜひ、表装をやっている方でお持ちでない方は、1度ご覧になられるといいと思います
なかなか手に入りにくいですが・・・

小学校へ職業案内に行ってきました!

小学校へ職業案内 2018年の2月の話です・・・

 

 

さて、本日は午前中に私が住んでいる地域の小学校に掛軸について話しをしてきました。

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この、イベントは、来年度中学生になる小学校6年生に向けて、様々な仕事を、紹介することにより,世の中には色々な仕事や選択肢が有ることを、知ってもらう機会を得てもらうと共に、地域、保護者との交流を通して、自分の親、自分の子ども以外にもお互いが知り合うことにより、地域の連携、学校の連携を強める事を、趣旨に企画されました。

※具体的にはちょっと違うかもしれません、たぶんそんな感じです。

 

確かに、自分たちは小学生の頃などは、卒業時のなりたい職業は、プロ野球選手、サッカー選手といったわかりやすい職業が大半をしめていたと思います。

 

それだけ、自分達の小学生時代は情報が少なく、ましてや保護者の方の、具体的な仕事内容や、やりがいなどを聞く機会などなかったと思います。

 

今回の取り組みは、子ども達に様々な仕事の選択肢や、内容をより具体的に教える事で、世の中にはたくさんの、身近で、魅力的な仕事があるということを、伝えるには、とても良い機会だったのではないかと思います。

 

普通に生活していては、掛軸の仕事など、まったく携わることのない、子ども達に、掛軸の文化、世界を伝えられたのはとても楽しかったです。

 

生徒は100人前後いて、その中で15班ほどにわかれて、順番に、様々な保護者・地域の人の仕事を聞いて回るという形で行われました。

 

大工さんや、看護師さん、消防士さん、理学療法士さん、保育士さんと、美容師さんと、様々な職業の方が、参加して子ども達に、自分の仕事を伝えておりました。

 

やはり、美容師さんや、保育士さん、消防士さんはとても人気があったようです。

掛軸師というと・・・・ これが困ったことに、美容師さんや看護師さんなど、子ども達でも知っている職業は、ある程度ベースがあって、そこにさらに積み上げていけば、良いのですが、掛軸師となると、そもそもどんな仕事なのかの説明に終始しなければならなかったのは、ニッチ産業の宿命だと感じました・・・

 

また、すべての班に一番最初に質問したのは、「掛軸を知ってる人」と「掛軸が家にある人」という質問をしました。

班の半分くらいは、掛軸を知っていると答え、家にあると答えた子はなんと・・・

100名のうち・・・1名だけでした・・・

 

これはかなり衝撃的な内容でした・・・

 

どんどん掛軸という文化、いや存在自体がなくなっていってしまうのかと、非常に危機感を覚えました

 

”人に求められる数が社会的な価値”という言葉あるように、どんなに良い物、良い仕事と言っても、人に求められる、人に知られる仕事でなければ、この先の掛軸文化・技術は残していけないのではないかと・・・まずは、我々が、みんなに求められる物、必要とされる物を提供していかなくてはいけないと強く感じました。

 

ちなみに、やはり、小学生は銀魂等のメディアで掛軸も使用されるんだよ~というと

若干食いつきは良かったです。https://ameblo.jp/kakejikuya/entry-12299818072.html

 

 

来年度も引き続き、行うということですので、この子ども達に掛軸師の仕事を伝えるという活動は継続して続けていけたらと思います。

 

自分の娘の学校でもやってみようかと思案中です・・・・

 

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化学糊としょうふ糊

 掛軸を伝統的技法で制作する場合に

当然裏打ちをしなくてはいけません
 
裏打ちをするには本紙と裏打ち紙をつけるための
接着剤が必要です
 
実は接着剤にも様々あり、大きく分けて化学糊と
小麦粉澱粉糊の正麩(しょうふ)糊があります。
 
実はこの接着剤ですが
これはわたくしの経験からの発言ですが
※この考えに反論したいかたもいると思います、個人的な意見ですのでご了承ください
 
まず、化学糊は当然正麩糊の原料以外に接着をよくしたり軸の掛りをよく
する為に必要な物質が入ってます。ということは掛りをよくするための技術などは
糊が助けてくれますので、しょうふ糊より簡単にできます
 
とてもすばらしい接着剤に思えますが欠点としては
まだ糊の歴史が100年もたってなく、様々な改良はされておりますが
実際作品が長期間経過した時にどのような変化になるのがわからない・・・
ということがあります・・
 
現に化学糊で制作した作品は仕立て直しの際に
剥がしにくいもしくは剥がれないということがあります。
これでは機械仕立てとそんなに変わりません
 
その点正麩糊に関しては1000年以上続く実績がありますので
作品の保存という観点からはこれに勝る接着剤はないと思われます
 
もし可能であれば、表装を頼む時は機械仕立てなのか、もしくは手技仕立てなのかのほかに
接着剤は何を使用しているかを聞いてみると良いかもしれません
 
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