化学糊としょうふ糊
掛軸を伝統的技法で制作する場合に
当然裏打ちをしなくてはいけません
裏打ちをするには本紙と裏打ち紙をつけるための
接着剤が必要です
実は接着剤にも様々あり、大きく分けて化学糊と
小麦粉澱粉糊の正麩(しょうふ)糊があります。
実はこの接着剤ですが
これはわたくしの経験からの発言ですが
※この考えに反論したいかたもいると思います、個人的な意見ですのでご了承ください
まず、化学糊は当然正麩糊の原料以外に接着をよくしたり軸の掛りをよく
する為に必要な物質が入ってます。ということは掛りをよくするための技術などは
糊が助けてくれますので、しょうふ糊より簡単にできます
とてもすばらしい接着剤に思えますが欠点としては
まだ糊の歴史が100年もたってなく、様々な改良はされておりますが
実際作品が長期間経過した時にどのような変化になるのがわからない・・・
ということがあります・・
現に化学糊で制作した作品は仕立て直しの際に
剥がしにくいもしくは剥がれないということがあります。
これでは機械仕立てとそんなに変わりません
その点正麩糊に関しては1000年以上続く実績がありますので
作品の保存という観点からはこれに勝る接着剤はないと思われます
もし可能であれば、表装を頼む時は機械仕立てなのか、もしくは手技仕立てなのかのほかに
接着剤は何を使用しているかを聞いてみると良いかもしれません